今回の衝撃吸収試験の主旨は下記それぞれのマテリアルの「歩行という踏み込み(衝撃)と蹴り上げ(反発)の連続運動」に対する適合度を数値比較する事を目的としております。
材料名 | 衝撃加速度 (m/s ^2) |
圧縮時間 (msec) |
衝突最下点 (mm) |
跳ね返り最上点 (mm) |
反発係数 | 復元速度 (mm/msec)*1 |
圧縮速度 (mm/msec)*2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1.マシュマロ | 497.36 | 11 | -5.8 | 39.552 | 0.58 | 1.0165 | 1.1516 |
2.ウレタン衝撃吸収材-P | 565.27 | 6.6 | -2.74 | 19.638 | 0.5 | 0.69575 | 1.1105 |
3.低反発ウレタンフォーム-M | 364.68 | 33.2 | -4.47 | 0.616 | 0.05 | 0.15774 | 0.9721 |
*1.衝突最下点からもとの厚みにまで復元するまでの速度 *2.衝突点から衝突最下点までの平均速度
衝撃加速度とは、物体が衝突した時に発生するエネルギーで、物体が固い程、衝突エネルギーは大きくなり、数値が大きくなる程、衝撃が大きくなる。柔らかさ、しなやかさは、3>1>2になる。
圧縮時間とは、弾性のある物体が衝突した時に変形を始めてから復元するまでの時間です。「衝突最下点の往復距離/圧縮時間=試験片の平均変形速度」になり
(1: 5.8mmx2/11msec=1.0545mm/msec 2: 2.74mmx2/6.6msec=0.8303mm/msec 3: 4.47mmx2/33.2msec=0.2692mm/msec)、
歩行時の蹴り込み(圧縮)、蹴り上げ(反発)、止まる(吸収)などの 連続運動では、変形速度が速い方が適すると考えられる。
1>2>3 衝突最下点は、最下点が低い程、力を吸収しやすくなる。
1>3>2 歩行時のホールド感、踏み込み時の力の吸収力=止まる時
跳ね返り最上点は、各試験片が吸収したエネルギーを跳ね返した時に生ずる跳ね返し力=反発力になる。
1>2>3 歩行時の蹴り上げ補助
反発係数とは衝突速度(ジグの上に置かれた試験片に衝突するまでの落下スピード)を1とした時の反発速度(ジグより跳ね返ってからの復元点からの反発スピード)の数値で
、反発係数が大きい程、高反発である。小さな力で大きく物を動かす事ができる。1>2>3
圧縮速度と復元速度の関係は、歩行時の様に圧縮、復元を繰り返し行う時に復元速度が遅すぎると、
復元されていない状態で次の圧縮が繰り返されてしまう為に、衝撃を受ける物体の歪みがおきやすくなる。
圧縮速度=復元速度であればある程、衝撃を受ける物体の歪みがおきにくくなる。1>2>3になる
グラフAにおいて、衝突エネルギーを最も軽減させたのは(3)低反発ウレタンフォームMであるという結果が出ておりますが、 上記テストのように錘をそれぞれのマテリアルに一度だけ落した時の数値は「歩行という衝撃と反発の連続運動」においては必ずしも反映されているとは言えません。
なぜならばグラフCにおいて、踏み込み時(衝撃)に起こる「圧縮速度」と蹴り上げ時(反発)に必要な「復元速度」の差が最も大きく、これは「歩行」という連続運動の際に足裏と靴底との間に隙間ができ、最もフィットしていないという事が言えます。
上記説明にも書いているとおり、マテリアルの「圧縮速度」と「復元速度」が同じであればあるほど、複雑に変化する足裏を柔軟にフィットし続けしっかりとしたホールド感を得る事ができます。
足裏にフィットしないでどのようにして衝突エネルギーを軽減させる事が出来るのでしょうか
またグラフBにおいて、marshmallow®(マシュマロ)は衝突最下地点が最も低いにも関わらず、跳ね返り最上点は他を圧倒する反発性を見る事が出来ますが、これもまさに踏み込み時(衝撃)に柔らかく足裏を包み込み、 そのホールド力をもって蹴り上げ動作(反発)の補助力に移行させている事が言えます。
柔らかさと強度、抜群の粘度をバランス良く兼ね備えたmarshmallow®(マシュマロ)独自の特殊配合は「柔らかさ=衝撃吸収するホールド力」、「強度=蹴り上げ時の反発力」、 「抜群の粘度=圧縮速度=復元速度」という総合的にバランスのとれたインソールマテリアルとして特化し、「歩行という圧縮と反発の連続運動」=「リズミカルな歩行」へと導き、 最終的には膝を含めた身体全体の「健康」に寄与する事を目的として開発されました。
以上、上記試験結果からmarshmallow®(マシュマロ)が「健康的な歩行」をサポートできるマテリアルであると考えます。